~プロローグ~
私が特別支援学校高等部で進路担当していた時、小倉北区の市場にあるA商店にK君の実習を依頼しました。
仕事に対する基本的姿勢が良く粘り強さもあり、企業実習にチャレンジしました。
K君は、返事がうまくできなかったり、繰り上がりのある計算は難しいタイプの生徒でした。
私は、何とかして採用にこぎつけたいと思っていました。
A商店はキムチを製造・販売しています。11月の実習では、毎日、大量の白菜の葉を冷たい水で洗っていました。
「毎日、ご迷惑をかけています!」
「済みません、実習でお手数をお掛けして」
「返事や挨拶が苦手で、ご迷惑をお掛けしてないでしょうか」
私は、毎日、A商店を訪問して社長夫妻に様子を伺っていました。
実習が終わりに近づいた日
「済みません、今日もご迷惑をおかけしています」と挨拶した私に社長夫妻が
「何をペコペコしよるんね」
「K君は何にも迷惑かけちゃおらんよ」
「K君は、私達より上手く白菜を洗えるんよ!」
「先生が『K君は仕事のできる生徒です。この会社の力になります』って言わんでどうするんね!」と叱責したのです。
「障害があるから仕事が人より上手くできない」と先入観があったのは教師だった私。
社長夫妻は「K君の良さと可能性を伝えるのが、あんたの仕事」って気付かせてくれたのです。
それは、K君自身の働く姿が生んだ言葉です。
仕事とのマッチングが適切であれば、障害の有無は問題じゃない。
社会の大切な働き手なのだ。彼らの可能性を伝えよう。こんな工夫をすれば、彼らはこんな力を発揮することを伝えよう。
堂々と伝えていこう。そう思ったのです。
当サイトの趣旨
「障害特性×創意工夫×共感共創」
それぞれの障害特性を知ることで、
障害のある人の強みや得意なことを見いだせます。
働きやすい環境の工夫があれば、障害のある人は強力な戦力となります。
周囲の人たちの協力や少しの手助けとアイデアがあれば、
障害のある人は価値のある働き手となります。
例えば、細かい作業や根気のいる作業は、
障害のある人のほうが能力を発揮することもあります。
例えば、1日の仕事のスケジュールを目で見て理解できるような仕組みや
作業の細分化など、少しのアイデアがあれば、
障害のある人の最大限の能力を引き出すことができるのです。
障害のある人もない人も、共に協力しあい、共に働くことで、
新しい仕事の形が生まれる可能性があります。
既に成果を上げている、障害のある方達と企業連携の好事例や
個別のスキルを具体的に紹介します。
このサイトでは、企業と障害のある方達・障害福祉サービス事業所の
より良いマッチングができるようにサポート致します。